余所者-よそもの-【 2 】
43話:力の抜き方
気がつけば、私はシトウの真ん中を歩いていた。
切れた息を整えながら、目的もなく街を彷徨う。
流れるアスファルトの地面と、前へ前へと繰り出す自分の両足を、ただぼんやりと眺めていた。
これからが夜の本番。街はこの時間が一番騒がしい。
それでも、AnBarで鳴り響いていたBGMよりも、街の喧噪の方がいくらか耳障りが良い気がした。
とても不思議。
ついこの間まで恐ろしいと感じていたこの街が、今はこんなにも私を落ち着かせるんだから。
ひゅお、と生暖かい風が吹いた。
流れる髪を追って、街を見渡せばそこにはいろんな人が居た。
言い争いをしているサラリーマン。
スマホを耳に当てながら泣きじゃくっている女子学生。
ぼうっと空を見て立ち尽くすだけの男性。
閉じたシャッターの前に酒瓶をおいて眠ってる老人。
私と同じように俯いて歩く女性。
そっか。
寂しいのは私だけじゃない。
この街はみんなどこか寂しい。
気付けば、顔を上げて歩くことが出来ていた。