余所者-よそもの-【 2 】
――――……
――…
微かな物音に薄目を開ける。
あれ、サンコンがロッカーを開けてる。
そろそろ出勤時間かな。
でも、まだアラームは鳴っていないし、きっとこれは夢。
もう少し眠っていたい。
私は再び深く目を閉じた。
「――……ろ。……ろよ。……てめぇ!っんでこんなとこで寝腐ってやがる!」
突然、頭上から降ってきたバンの怒鳴り声。
ビクリと目を覚ました。
重たい目を開けた先、私を上から見下ろすバンの顔が霞んでよく見えない。
ガミガミと罵声を上げるバンの声を聞きながらスマホで時間を確認すると、出勤まで残り5分。
しまった、遅刻してしまう。
急いで身体を起き上がらせると、頭がクラクラした。
「――…ぃてんのかよ!!」
「なに?」
「無視してんじゃねーよ、クソ女!」
「うん」
「もういい加減、ここ出てけっつってんだよ!」
「でも私、今日シフト入ってるから」
吐き気がする。
頭が痛い。
遅刻しちゃう。用意しなきゃ。
フラフラとロッカーの前に立って、扉を乱暴に開けた。
「みんなお前のこと邪魔だって」
「わかってる」
「リンコってヤツも昨日すんげぇ怒ってた」
「わかってるよ」
「ユキさんもサンコンだって、」
「……わかってるってば!!」
クラ、と揺れる頭のままロッカーを閉じると、それは――ガンッ!と盛大な音を立てた。
「あ?テメ、ざけんなよ?」
大きくなった私の態度に、バンが凄む。
私は負けじとバンを睨み返した。