余所者-よそもの-【 2 】
「………」
やがて二階から戻ってきた潤の顔つきは、困惑よりも苛立ちの色を強めていた。
「しつこくてごめんな。やっぱり何があったか教えてくんね?」
「……ちょっと、いろいろあって」
「わかった。人間、性分ってモンがあるもんな。それはお互い様っつーことにしよう」
潤はそう言うと、私の目元をスッと撫でて、瞼を伏せさせた。
「すぐにちゃんと休めるところ連れてってやるから。少しの間、目ぇ瞑って寝てな」
潤はそれだけを言い残すと、すぐさま更衣室を出て、扉を閉めた。
それでも更衣室の薄い扉の向こう、フロアの声はこちらまで筒抜けだった。
「――…女の子を傷つけること。俺が一番許せねーことだ。カナコちゃんのアレ、誰がやった?」
「しらね」
「じゃあ、言い方変えるわ。お前だな?」
「悪い?だってアイツ――…」
そこでバンの声は途切れた。
こちらまで届いた派手な殴打音に、潤がバンを殴ったのだとすぐにわかった。