愛するあなたを殺させないため、死に戻った私はこの恋を捨てると決めた
ロジェリオの両親は、公爵家の威信をかけて立派な馬車を用意するつもりだと言っていた。それを中止させることなんて、たとえ息子のロジェリオが望んだって無理だろう。
もちろんエリシアの両親だって、娘が公爵家に嫁ぐのだということを大々的に喧伝できるのだから、楽しみにしているのだ。
結婚式は、かつてと同じようにエリシアの二十歳の誕生日に行う予定で、まだ数か月先だ。
気の抜けない日々を耐えるしかないのだと、エリシアはため息をついた。
◇
手紙のことがあって以来、ロジェリオは以前より頻繁にエリシアのもとを訪ねてくれるようになった。それはとても嬉しいことなのだけど、彼が無理をして時間を作ってくれていることが分かるから、心苦しくもある。どうやら仕事を自宅に持ち帰ったり、早朝から出勤したりしているようなのだ。彼は明らかに寝不足の疲れた顔をしていて、エリシアは心配でたまらない。
今日は、執事のザカリアスは父の供として出かけている。彼がいないだけで、エリシアの緊張感も段違いに薄れる。
久しぶりに侍女も下がらせて、サロンで二人きりだ。もちろん使用人を呼ぶためのベルは、すぐ手が届く場所に置いてあるし、お茶や菓子への警戒は怠らない。
「リオ、どうか無理はしないで。私なら、大丈夫だから」
エリシアは、ロジェリオの頬にそっと手を触れた。顔色が悪く、以前よりも頬がこけたような気がする。目の下には、濃い隈ができていた。自分よりもやつれた様子を見ると、胸が苦しくなる。
ロジェリオはエリシアの手を握りしめると、指先に唇を押し当てた。そして柔らかな笑みを見せる。
「俺のことは気にしなくて大丈夫だ。シアと一緒にいられたら、それだけで疲れが癒える。俺がシアに会いたいから、こうして訪ねてきているんだよ」
もちろんエリシアの両親だって、娘が公爵家に嫁ぐのだということを大々的に喧伝できるのだから、楽しみにしているのだ。
結婚式は、かつてと同じようにエリシアの二十歳の誕生日に行う予定で、まだ数か月先だ。
気の抜けない日々を耐えるしかないのだと、エリシアはため息をついた。
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手紙のことがあって以来、ロジェリオは以前より頻繁にエリシアのもとを訪ねてくれるようになった。それはとても嬉しいことなのだけど、彼が無理をして時間を作ってくれていることが分かるから、心苦しくもある。どうやら仕事を自宅に持ち帰ったり、早朝から出勤したりしているようなのだ。彼は明らかに寝不足の疲れた顔をしていて、エリシアは心配でたまらない。
今日は、執事のザカリアスは父の供として出かけている。彼がいないだけで、エリシアの緊張感も段違いに薄れる。
久しぶりに侍女も下がらせて、サロンで二人きりだ。もちろん使用人を呼ぶためのベルは、すぐ手が届く場所に置いてあるし、お茶や菓子への警戒は怠らない。
「リオ、どうか無理はしないで。私なら、大丈夫だから」
エリシアは、ロジェリオの頬にそっと手を触れた。顔色が悪く、以前よりも頬がこけたような気がする。目の下には、濃い隈ができていた。自分よりもやつれた様子を見ると、胸が苦しくなる。
ロジェリオはエリシアの手を握りしめると、指先に唇を押し当てた。そして柔らかな笑みを見せる。
「俺のことは気にしなくて大丈夫だ。シアと一緒にいられたら、それだけで疲れが癒える。俺がシアに会いたいから、こうして訪ねてきているんだよ」