愛するあなたを殺させないため、死に戻った私はこの恋を捨てると決めた
何もされていないかと心配そうに聞かれて、エリシアは思わず言葉に詰まる。先日、ザカリアスがブレンドしたというお茶を飲んだあと、急激な眠気に襲われたことを思い出したのだ。動けなくなったエリシアのすぐそばに、ザカリアスはいた。あれは、まるでエリシアが倒れるのを予見していたかのようだった。
「シア、もしかして何かあったのか」
深刻そうな表情を浮かべるロジェリオに、確証はないけれどと前置きをして、エリシアは紅茶のことを話した。ロジェリオの顔は、みるみるうちに険しくなる。
「どうして、すぐに教えてくれなかったんだ」
「だって、証拠がないもの。念のため、茶葉も調べてもらったのよ。だけど、特に不審な点はないって言われたわ。倒れたのは疲労のせいだろうって」
「シアが神経をすり減らしていることは、もちろん分かってるけど……。それでも、怪しすぎるだろう」
ロジェリオは焦燥感を滲ませて唇を噛む。
「やっぱり、一刻も早く家を出るべきだ。あいつはきっと、シアを手に入れるためになりふり構わないはずだ。何か手立てを考えなければ」
そう言うものの、実際には難しいことを彼も分かっているのだろう。お互いに何も言えななくなり、馬車の中に、重たい沈黙が落ちる。エリシアはロジェリオの傷口を押さえながら、これからどうすればいいのだろうと考え込んでいた。
病院に到着し、あらためて精密検査を受けた結果、頭の傷以外には大きな問題がないことが分かった。とはいえガラスで切った頭の傷は十数針も縫わねばならないほどで、傷が完全に塞がるまでは入院して安静にすることとなった。
「シア、もしかして何かあったのか」
深刻そうな表情を浮かべるロジェリオに、確証はないけれどと前置きをして、エリシアは紅茶のことを話した。ロジェリオの顔は、みるみるうちに険しくなる。
「どうして、すぐに教えてくれなかったんだ」
「だって、証拠がないもの。念のため、茶葉も調べてもらったのよ。だけど、特に不審な点はないって言われたわ。倒れたのは疲労のせいだろうって」
「シアが神経をすり減らしていることは、もちろん分かってるけど……。それでも、怪しすぎるだろう」
ロジェリオは焦燥感を滲ませて唇を噛む。
「やっぱり、一刻も早く家を出るべきだ。あいつはきっと、シアを手に入れるためになりふり構わないはずだ。何か手立てを考えなければ」
そう言うものの、実際には難しいことを彼も分かっているのだろう。お互いに何も言えななくなり、馬車の中に、重たい沈黙が落ちる。エリシアはロジェリオの傷口を押さえながら、これからどうすればいいのだろうと考え込んでいた。
病院に到着し、あらためて精密検査を受けた結果、頭の傷以外には大きな問題がないことが分かった。とはいえガラスで切った頭の傷は十数針も縫わねばならないほどで、傷が完全に塞がるまでは入院して安静にすることとなった。