愛するあなたを殺させないため、死に戻った私はこの恋を捨てると決めた
「もちろん、シアの顔を見られるのが一番嬉しいけどね」
 吐息が耳を掠めて、エリシアは思わず肩を震わせる。ロジェリオの腕はしっかりとエリシアの身体を捕まえていて、身動きができない。
「昨日つけた痕を見せて、シア。また上書きをしておかなくちゃならない」
「……っ」
 かぷりと耳を食まれて、思わず声が漏れそうになる。そんなエリシアの反応を見て楽しそうに笑いながら、ロジェリオはそっと胸元に手を伸ばしてきた。
「ほら、よく見せて」
「でも、誰か来たら」
「大丈夫だ。シアが来ている時は、誰も入らないように言ってある。ね、シア」
「わ、分かったわ」
 催促するように名前を呼ばれて、エリシアはゆっくりとドレスの胸元を引き下ろした。ふたつのふくらみが作る深い谷間の奥に、赤い華のような痕がある。それは、ロジェリオが毎日刻んでくれるエリシアへの愛の証。
「あぁ、やっぱり昨日より薄くなっている」
 指先でそっと痕をなぞり、ロジェリオはにんまりと笑う。このあとのことを想像して、エリシアは鼓動が速くなるのを感じていた。
「愛してる、シア」
「あ、ん……っ」
 肌に柔らかな唇が当たったと思ったら、次の瞬間には強く吸い上げられる。腰のあたりがじんと疼くような甘い痛みに、エリシアは思わず小さな声を漏らしていた。
 今世では経験がなくても、その先にあるもっと甘美な快楽をエリシアは知っている。だから、つい期待したくなってしまう。
 だけど、ロジェリオの身体はすぐに離れていってしまった。思わず顔を見上げると、彼は困ったように笑った。
「シア、頼むからそんな顔をしないで」
「私、どんな顔をしてる……?」
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