愛するあなたを殺させないため、死に戻った私はこの恋を捨てると決めた
「すごく色っぽくて、切ない顔だ。できることなら、このままシアを押し倒して、全てを奪いたくなるような顔」
「……っ」
 心の内に欲望を抱えていることを見透かされたようで、頬が一瞬で熱くなる。エリシアはそれを隠すように、ロジェリオの胸に顔を埋めた。
「俺だって本当なら今すぐにシアが欲しいけれど、それと同じくらい大切にしたい気持ちもあるんだ。だから、今はこれだけ」
「え? ……っあ、ぁんっ」
 ロジェリオの指が、エリシアの髪をそっと除ける。そして露出した首筋に、あたたかいものが触れた。ちくりとした痛みを感じて、ちょうど耳の裏側あたりにも痕を刻まれたことが分かる。胸元よりも首筋の肌の方がもっと敏感で、エリシアの唇からは悩ましげな声がこぼれ落ちた。
 それを聞いたロジェリオが笑ったのか、吐息が肌にかかる。
「ふ、可愛い声。もっと聞きたくなるな」
「っあ、だめ……っんぅ、首は……弱いの」
「可愛いな。――あぁ、だめだ。これ以上は俺が我慢できなくなる」
 はぁっと大きな息を吐いて、ロジェリオは抱きしめていたエリシアを解放した。彼の顔も微かに赤くなっていて、それがなんだかとても嬉しい。
 もちろんエリシアの顔も真っ赤になっているだろうけれど、彼がエリシアを求めていることが分かるから、すごく幸せだ。
 お互いに目を合わせて、二人はくすくすと笑い合った。

 ◇

 今日も病院へ行くために、エリシアは身支度をしていた。できるだけ毎日行くようにしているのだけど、昨日は大雨で家を出られなかったのだ。
 今朝は雨は止んでいるものの、空は曇っている。暗い空を見ると気持ちが落ち込みそうなので、エリシアはあえて青空のような明るい水色のドレスを選んだ。
「姉さんは、今日も病院へ行くの?」
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