愛するあなたを殺させないため、死に戻った私はこの恋を捨てると決めた

「本当に? どこにも触られてない?」

「頬を撫でられたけど、それだけ。服を脱がされそうにはなったけど、その前にリオが来てくれたから……」

「っ、本当に、ぎりぎりだったんだな」

 最悪のことになっていたかもしれないと思うと、まだ身体の震えが止まらない。ロジェリオも同じように、震える息を吐いた。

 エリシアを守るように腕に囲ったまま、ロジェリオは床に転がされたままのザカリアスを見下ろす。その視線は、見たことがないほどに冷たいものだった。

「枷の鍵はどこにある」

 威圧するようなロジェリオの声には、逆らうことのできない厳しさを感じる。怯えた顔になったザカリアスが、慌てたようにポケットに視線を向けた。

 それを受けて、騎士がザカリアスの服の中から枷の鍵を探し出す。枷を外してもらい、ようやく自由になった手をさすると、ロジェリオに再び抱きしめられた。

「もう、大丈夫だ。怖い思いをさせて、すまない」

「リオのせいじゃないわ」

「それでも、俺はきみを守ると約束したのに……」

 抱きしめる腕も、耳元に感じる吐息も震えている。エリシアはロジェリオのぬくもりをもっと感じたくて、強く抱きついた。



 どうやらロジェリオは、以前からザカリアスの動向を探るために密かに監視をつけていたらしい。その中でザカリアスがこの古びた別荘を手に入れていることを把握し、人の出入りを見張っていたという。
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