愛するあなたを殺させないため、死に戻った私はこの恋を捨てると決めた
「きっと、リオがくれたこの印が、私を守ってくれたの。これを見てザカリアスはすごく怒っていたけど、そのおかげで私は唇を奪われずにすんだもの」

 頬を撫でられるだけでもあんなに不快だったのだ。口づけなんてされていたら、今頃ロジェリオの顔を見ることなんてできなかっただろう。

「怖い思いをさせたのは間違いないけれど、少しでもシアを助けられたのならよかった……」

 うなずいて、エリシアはぎゅっとロジェリオに抱きつく。それから彼の顔をじっと見上げた。

「もう恐ろしい未来はないと信じていいのよね。私たち、幸せになれるわよね……?」

「あぁ、絶対に幸せになれる。俺が、シアを幸せにするよ」

 揺るぎない声でロジェリオが答えてくれることが嬉しい。お互いの視線が絡まり、同じことを考えているのが分かった。

 微笑んでゆっくりと目を閉じれば、柔らかく唇が重ねられた。

 想いを伝えあうように何度もキスをして、エリシアは再びロジェリオの胸に頬を押し当てた。さっきよりも微かに速くなった鼓動は、交わしたキスのせいだろうか。

 そっと髪を撫でてくれるロジェリオの手を心地よく思いながら、エリシアは自らの胸にそっと手を当てた。

「ねぇ、リオ。今日もここに愛の証をくれる?」

 上目遣いで見つめると、ロジェリオは微かに頬を赤くしてうなずいた。

「あぁ、もちろん」

 その言葉に微笑んで、エリシアはドレスの胸元を軽く引き下げる。白い肌に浮かぶ赤い痕は、一昨日よりも少し薄くなっていた。

 それを愛おしそうに指先で撫でて、ロジェリオは唇を押し当てた。強く肌を吸われる甘く切ない痛みに、エリシアは小さく唇を噛んで耐える。

 唇を離したあと、ロジェリオはエリシアを強く抱き寄せた。
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