愛するあなたを殺させないため、死に戻った私はこの恋を捨てると決めた
エリシアの身体をそっと撫でていたロジェリオだったが、途中で手を止めてしまう。どうしたのだろうと首をかしげていると、彼はエリシアの左胸にじっと視線を向けていた。そこには、うっすらと傷跡が残っている。死に戻る前、ロジェリオのあとを追うために自らがつけた傷。
「……気になる?」
そっと尋ねると、ロジェリオがハッとした顔になった。エリシアは苦い笑みを浮かべつつ、指先で傷跡をそっと撫でる。
「これは、私が死に戻った証。ここに私は破片を――」
「シア、言わなくていい。シアは今、ちゃんと生きてる」
早口でそう言われて、エリシアはうなずいた。ロジェリオもゆっくりと傷跡に手を伸ばす。そして、傷を癒すかのように優しく指先で触れた。
「……シアが俺を守ろうとしてくれた証だ。きみほど強い人を、俺は知らないよ」
「ありがとう。今こうしてリオと一緒にいられることを、私は心から幸せに思うわ」
「あぁ、俺もだ」
深くうなずくと、ロジェリオは胸の傷跡にそっと唇を寄せた。エリシアは彼の頭を抱きしめ、さらさらとした髪をなでる。
「ねぇ、もっと触って。たくさんキスをして。私はリオのものだって、愛してるって、たくさん印をつけて」
吐息まじりの声でエリシアがねだれば、ロジェリオの顔がさっと赤くなった。そして、困ったように笑う。
「シアは誘惑が上手だな。大事にしたいからゆっくり抱きたいのに、我慢ができなくなりそうだ」
「我慢なんてしないで。リオに愛されていると、実感したいの」
「俺の愛は重たいよ。きっと朝まで寝かせてやれなくなる」
「ふふ、大歓迎よ。ずっと、リオとこうしていたいから」
エリシアが即答すると、ロジェリオも笑って優しいキスを落としてくれた。