愛するあなたを殺させないため、死に戻った私はこの恋を捨てると決めた


 テラスにはすでに、朝食の用意が整えられていた。座り心地のよさそうな二人掛けのソファに下ろされ、ロジェリオも隣に座る。

 焼き立てのパンや野菜のうまみたっぷりのポタージュスープ、瑞々しいサラダに口の中で溶けるほど柔らかなオムレツなど、どれを食べても絶品で、エリシアは時折悶えながら食事をしていた。そんなエリシアを、ロジェリオは微笑ましそうに見守っている。

 食後のお茶を飲み終えると、ロジェリオが控えていたメイドらに下がるように言った。二人きりになると、ロジェリオはあらたまった様子でエリシアに向き直る。

「エリシアに、渡したいものがあるんだ」

「え? 何かしら」

 首をかしげていると、小さく笑ったロジェリオがスッと立ち上がる。そして胸元から何かを取り出すと、エリシアの目の前に片膝をついた。

「愛してる、シア。どうかこの先ずっと、俺と共に生きて。きみのいない人生なんて考えられない」

 そう言って差し出されたのは、小箱に入った指輪だった。大好きな本のシーンを再現するように指輪を贈られたことが、嬉しくてたまらない。そして、かつてと同じ言葉でエリシアに愛を伝えてくれたことも。

「リオ……」

「必ず、幸せにする。きみと将来を共にする誓いとして、どうかこの指輪を受け取ってほしい」

 まっすぐに見つめられ、涙がこみ上げてくる。エリシアは両手で口元を覆いながら、何度もうなずいた。

「私も……っ、私も愛しているわ、リオ。あなたがいなかったらきっと、私は生きていけない」

 心からそう伝えると、ロジェリオも嬉しそうに目を細めた。

 ロジェリオはエリシアの左手を取ると、薬指に指輪をそっと滑らせてくれた。
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