愛するあなたを殺させないため、死に戻った私はこの恋を捨てると決めた
そんな声と共に、馴染みの侍女がベッドのカーテンを開ける。エリシアの顔を見た瞬間、ダナは心配そうに眉を寄せた。ハンカチを差し出されて、まだ涙が止まっていないことに気づく。
「どうなさったんですか、お嬢様。何か悪い夢でも?」
「夢……」
ぼんやりと、エリシアは侍女の言葉を繰り返した。
あれが悪い夢だったなら、どれほどいいことか。だが、エリシアの手のひらには、まだロジェリオの手を握りしめた時の感覚が残っている。そして自らの血の、生温い感触も。
エリシアの涙を拭いながら、ダナは優しく背中をさすってくれた。
「お顔の色もあまりよくありませんね。来月のお誕生日に向けて、今日はドレスの採寸を予定しておりましたが、キャンセルいたしましょうか?」
「誕生日……? ドレス?」
思わず問い返すと、ダナは何を言っているのだと不思議そうな顔をしつつうなずいた。
「えぇ。十九歳のお祝いに、旦那様がドレスを新調してくださると、お嬢様も喜んでいたでしょう」
「十九……?」
エリシアは、侍女の言葉を呆然と繰り返す。ついさっきまで、エリシアは二十歳の誕生日を数か月後に控えていたはずだ。ロジェリオとの結婚式は、エリシアの二十歳の誕生日に執り行う予定だったのだから。
「……エリシアお嬢様? やはり体調が優れませんか?」
黙りこくるエリシアを見て、ダナは心配そうな顔になる。エリシアは急いで笑みを浮かべた。
「大丈夫よ、少し寝ぼけていたみたい。もう平気だわ。目元を冷やしたいから、濡れタオルを持ってきてくれるかしら」
ごまかすようにそう返事をすると、ダナはすぐに準備しますと言って部屋を出て行った。
「どうなさったんですか、お嬢様。何か悪い夢でも?」
「夢……」
ぼんやりと、エリシアは侍女の言葉を繰り返した。
あれが悪い夢だったなら、どれほどいいことか。だが、エリシアの手のひらには、まだロジェリオの手を握りしめた時の感覚が残っている。そして自らの血の、生温い感触も。
エリシアの涙を拭いながら、ダナは優しく背中をさすってくれた。
「お顔の色もあまりよくありませんね。来月のお誕生日に向けて、今日はドレスの採寸を予定しておりましたが、キャンセルいたしましょうか?」
「誕生日……? ドレス?」
思わず問い返すと、ダナは何を言っているのだと不思議そうな顔をしつつうなずいた。
「えぇ。十九歳のお祝いに、旦那様がドレスを新調してくださると、お嬢様も喜んでいたでしょう」
「十九……?」
エリシアは、侍女の言葉を呆然と繰り返す。ついさっきまで、エリシアは二十歳の誕生日を数か月後に控えていたはずだ。ロジェリオとの結婚式は、エリシアの二十歳の誕生日に執り行う予定だったのだから。
「……エリシアお嬢様? やはり体調が優れませんか?」
黙りこくるエリシアを見て、ダナは心配そうな顔になる。エリシアは急いで笑みを浮かべた。
「大丈夫よ、少し寝ぼけていたみたい。もう平気だわ。目元を冷やしたいから、濡れタオルを持ってきてくれるかしら」
ごまかすようにそう返事をすると、ダナはすぐに準備しますと言って部屋を出て行った。