愛するあなたを殺させないため、死に戻った私はこの恋を捨てると決めた
こんな表情を向けられたら、誰だって夢中になってしまうだろうと、エリシアも頬が熱を持つのを感じていた。
「その刺繍は、あなたが?」
「え?」
話しかけられたことに驚いて、反応が遅れてしまう。しばらくして彼の言葉の意味を理解したエリシアは、こくこくとうなずいた。
握りしめたままの白いレースのハンカチの隅には、かすみ草の刺繍が施されている。
「えぇ、私が刺したものです」
「とても上手だ。でも、どうしてその花を?」
そう問われて、エリシアは小さく笑う。どちらかというと素朴なデザインなので、逆に彼の目を引いたのかもしれない。
「私、かすみ草が好きなんです。脇役になりがちな花だけど、とても可愛らしい花でしょう。それにお気に入りの本に、かすみ草の花束をもらうというシーンが出てくるんです。両手で抱えるほどの大きな花束を贈られるというのがすごくロマンティックで素敵だなぁって思って、それで……」
そこまで言って、ロジェリオとは初対面だったことを思い出したエリシアは慌てて口をつぐむ。ハンカチの刺繍に目を留めてもらえたことが嬉しくて、ついあれこれと話してしまった。
「す、すみません……。好きなんです。……違っ、あの、かすみ草が……っ!」
言葉を重ねれば重ねるほど変な方向に行っているような気がしてうつむくエリシアの耳に、微かな笑い声が聞こえる。思わず顔を上げれば、ロジェリオは楽しそうな笑みを浮かべていた。こんな表情もできるのかと、エリシアは内心の驚きを隠せずに、その顔をじっと見つめてしまった。視線が絡まり、彼は優しげに目を細める。
「失礼。驚いたのと、嬉しくて」
「嬉しい?」
どういうことだろうと首をかしげるエリシアを見つめ、ロジェリオは悪戯っぽい笑みを浮かべると口を開いた。
「その刺繍は、あなたが?」
「え?」
話しかけられたことに驚いて、反応が遅れてしまう。しばらくして彼の言葉の意味を理解したエリシアは、こくこくとうなずいた。
握りしめたままの白いレースのハンカチの隅には、かすみ草の刺繍が施されている。
「えぇ、私が刺したものです」
「とても上手だ。でも、どうしてその花を?」
そう問われて、エリシアは小さく笑う。どちらかというと素朴なデザインなので、逆に彼の目を引いたのかもしれない。
「私、かすみ草が好きなんです。脇役になりがちな花だけど、とても可愛らしい花でしょう。それにお気に入りの本に、かすみ草の花束をもらうというシーンが出てくるんです。両手で抱えるほどの大きな花束を贈られるというのがすごくロマンティックで素敵だなぁって思って、それで……」
そこまで言って、ロジェリオとは初対面だったことを思い出したエリシアは慌てて口をつぐむ。ハンカチの刺繍に目を留めてもらえたことが嬉しくて、ついあれこれと話してしまった。
「す、すみません……。好きなんです。……違っ、あの、かすみ草が……っ!」
言葉を重ねれば重ねるほど変な方向に行っているような気がしてうつむくエリシアの耳に、微かな笑い声が聞こえる。思わず顔を上げれば、ロジェリオは楽しそうな笑みを浮かべていた。こんな表情もできるのかと、エリシアは内心の驚きを隠せずに、その顔をじっと見つめてしまった。視線が絡まり、彼は優しげに目を細める。
「失礼。驚いたのと、嬉しくて」
「嬉しい?」
どういうことだろうと首をかしげるエリシアを見つめ、ロジェリオは悪戯っぽい笑みを浮かべると口を開いた。