愛するあなたを殺させないため、死に戻った私はこの恋を捨てると決めた
「――まるで雪みたいなあの花をたくさん集めて、一抱えの花束にしてきみに贈ろう」
「……っ!」
それは、エリシアが大好きな本の一節。まさにかすみ草の花束を贈られるシーンだ。
「ご存じなんですか?」
「あぁ、『風のブランコ』だろう。俺も擦り切れるほど読んだ本だ」
彼が口にした本のタイトルは、エリシアが数えきれないほど読み返したお気に入りのものだった。
「かすみ草の花畑で、主人公が夢を語るシーンが特に好きでね。希望にあふれていて、自分も頑張ろうと思わせてくれて、何度も読み返しているんだ」
「分かります、あのシーンには私も何度も勇気をもらいました!」
「だから俺も、かすみ草がすごく好きなんだ」
「私も好きです、大好きです……! えっとあの、花畑のシーンが……」
勢い余って再び告白めいたことを口走ったことに気づき、もごもごと言葉を濁したエリシアを見て、ロジェリオは思わずといった様子で噴き出した。氷のようだと称される彼が、顔をくしゃくしゃにして笑っている。近寄りがたく見えた彼の可愛らしい一面を見たような気がして、エリシアの胸がとくりと音を立てた。
やがて笑いが治まったのか、ロジェリオは照れ隠しのように咳払いをすると、エリシアをじっと見つめた。そして、穏やかな微笑みを浮かべる。
「ロジェリオ・アルベルダと申します。あなたのお名前を聞いても?」
「エリシア・ファリノスと申します」
「ファリノス伯爵家のご令嬢でしたか。あまり夜会には顔を出さないもので、ファリノス家にこんな美しいご令嬢がいるとは知らなかったな」
ロジェリオのお世辞を、エリシアは照れ笑いで受け止めた。さすが、人気者の彼は女性を褒めるのも上手だ。
「……っ!」
それは、エリシアが大好きな本の一節。まさにかすみ草の花束を贈られるシーンだ。
「ご存じなんですか?」
「あぁ、『風のブランコ』だろう。俺も擦り切れるほど読んだ本だ」
彼が口にした本のタイトルは、エリシアが数えきれないほど読み返したお気に入りのものだった。
「かすみ草の花畑で、主人公が夢を語るシーンが特に好きでね。希望にあふれていて、自分も頑張ろうと思わせてくれて、何度も読み返しているんだ」
「分かります、あのシーンには私も何度も勇気をもらいました!」
「だから俺も、かすみ草がすごく好きなんだ」
「私も好きです、大好きです……! えっとあの、花畑のシーンが……」
勢い余って再び告白めいたことを口走ったことに気づき、もごもごと言葉を濁したエリシアを見て、ロジェリオは思わずといった様子で噴き出した。氷のようだと称される彼が、顔をくしゃくしゃにして笑っている。近寄りがたく見えた彼の可愛らしい一面を見たような気がして、エリシアの胸がとくりと音を立てた。
やがて笑いが治まったのか、ロジェリオは照れ隠しのように咳払いをすると、エリシアをじっと見つめた。そして、穏やかな微笑みを浮かべる。
「ロジェリオ・アルベルダと申します。あなたのお名前を聞いても?」
「エリシア・ファリノスと申します」
「ファリノス伯爵家のご令嬢でしたか。あまり夜会には顔を出さないもので、ファリノス家にこんな美しいご令嬢がいるとは知らなかったな」
ロジェリオのお世辞を、エリシアは照れ笑いで受け止めた。さすが、人気者の彼は女性を褒めるのも上手だ。