愛するあなたを殺させないため、死に戻った私はこの恋を捨てると決めた

出会いたくなかったのに

 ロジェリオと出会ったはずの夜会を欠席し、エリシアはこれで彼と人生が交わることはないだろうと考えていた。
 噂では、やはりかつてエリシアも参加した夜会にロジェリオが出席し、多くの令嬢が色めきたったのだという。もしかしたらそこで、彼は誰かと出会ったかもしれない。
 そう考えると胸は痛むものの、ロジェリオが幸せになるのならそれでいいのだと無理に思い込む。
 とはいえエリシアも、年頃の令嬢だ。いずれは誰かと婚約をしなければならない。今もエリシアの心の中にはロジェリオしかいないし、彼以外の人を愛せるとは思わない。だけど、貴族の結婚というのは愛がなくてもできるものだ。きっと家柄の釣り合う誰かと、縁を結ぶことになるのだろう。

 ある日の夕食の席で、父親がエリシアの名を呼んだ。
「次の週末、サルガード侯爵家で夜会が開かれる。エリシアも、参加しなさい。おまえもそろそろ婚約者を探す必要があるからね。夜会は、いい出会いの場だ」
「……まだあまり体調が優れないので、夜会に行くのは少し不安なのですけど」
 無理だと思いつつ、エリシアは遠回しに行きたくないと言ってみる。
「一人が不安なら、ヴィクトルにつきそいを頼むか?」
「い、いえ、大丈夫です。一人で参加できます」
 父親の提案に、エリシアは慌ててかぶりを振る。ヴィクトルと二人で行くことは、なんとしても避けたい。結局、夜会への参加が決まってしまい、エリシアは内心でため息をついた。

 そして参加することになった夜会では、エリシアはかつてロジェリオと出会った時とは全く違うドレスを着ることにした。もともと夜会にはめったに顔を出さないロジェリオが、今夜も参加するとは考えにくい。それでも、少しでも前回と違う行動をしておきたかった。
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