愛するあなたを殺させないため、死に戻った私はこの恋を捨てると決めた
仕立てたばかりの水色のドレスに見向きもしないので、侍女のダナは不思議そうにしていたが、エリシアの希望通り淡いピンクのドレスを用意してくれた。
ホルターネックのドレスは、装飾も控えめなものだ。胸元を覆うデザインにしたのは、左胸の傷を露出させないため。よっぽど近くに寄らなければ分からないけれど、あの忌まわしい記憶を思い出させる傷は、できれば隠しておきたかった。
大抵ハーフアップにする髪も、今夜は緩く編んでサイドに流すことにした。最低限のアクセサリーだけを身につけて、エリシアは鏡の中の自分をじっと見つめる。
「……行きたくないわ」
そんな本音が思わず漏れる。もしもロジェリオと顔を合わせてしまったら冷静でいられる気がしないし、彼が別の女性と一緒にいるかもしれないと考えるだけで、胸が張り裂けそうだ。
「最近のお嬢様は、あまり元気がありませんね。お誕生日のお祝いに仕立てたドレスも、あんなに楽しみにしていたのに……。何か、心を煩わせることがあるんですか?」
化粧品を片付けていた侍女のダナが、心配そうな顔で見つめてくる。この複雑な思いを説明できるわけもなくて、エリシアは曖昧な笑みを浮かべた。
「あらためて自分が誰かと結婚することを考えたら、色々と悩むものよ。まず、私を選んでくれる方に出会えるかも分からないでしょう」
「まぁ! 可愛らしいエリシアお嬢様なら、多くの殿方の視線を一身に集めるに決まっていますわ。きっと、お嬢様を大切にしてくださる素敵な方と、出会えますよ」
「ありがとう。そうだといいわね」
礼を言って、エリシアは立ち上がった。そろそろ出発の時間だ。
今夜の会場であるサルガード侯爵邸へ到着したエリシアは、主催者である侯爵への挨拶を済ませるとすぐに壁際へと移動した。
ホルターネックのドレスは、装飾も控えめなものだ。胸元を覆うデザインにしたのは、左胸の傷を露出させないため。よっぽど近くに寄らなければ分からないけれど、あの忌まわしい記憶を思い出させる傷は、できれば隠しておきたかった。
大抵ハーフアップにする髪も、今夜は緩く編んでサイドに流すことにした。最低限のアクセサリーだけを身につけて、エリシアは鏡の中の自分をじっと見つめる。
「……行きたくないわ」
そんな本音が思わず漏れる。もしもロジェリオと顔を合わせてしまったら冷静でいられる気がしないし、彼が別の女性と一緒にいるかもしれないと考えるだけで、胸が張り裂けそうだ。
「最近のお嬢様は、あまり元気がありませんね。お誕生日のお祝いに仕立てたドレスも、あんなに楽しみにしていたのに……。何か、心を煩わせることがあるんですか?」
化粧品を片付けていた侍女のダナが、心配そうな顔で見つめてくる。この複雑な思いを説明できるわけもなくて、エリシアは曖昧な笑みを浮かべた。
「あらためて自分が誰かと結婚することを考えたら、色々と悩むものよ。まず、私を選んでくれる方に出会えるかも分からないでしょう」
「まぁ! 可愛らしいエリシアお嬢様なら、多くの殿方の視線を一身に集めるに決まっていますわ。きっと、お嬢様を大切にしてくださる素敵な方と、出会えますよ」
「ありがとう。そうだといいわね」
礼を言って、エリシアは立ち上がった。そろそろ出発の時間だ。
今夜の会場であるサルガード侯爵邸へ到着したエリシアは、主催者である侯爵への挨拶を済ませるとすぐに壁際へと移動した。