愛するあなたを殺させないため、死に戻った私はこの恋を捨てると決めた
もちろん今のロジェリオが、そんな不埒な目的でエリシアを連れ込んだわけではないと分かっている。だけどエリシアにとっては愛する人と二人きりという状況に、冷静ではいられない。
「あの……大丈夫です。もうすっかりよくなりました」
「本当に?」
じっとのぞき込むように見つめられて、エリシアはおろおろと視線をさまよわせる。意識してはだめだと思うのに、頬が熱くなっていくのを自覚して、ますます動揺してしまう。
「えぇ、なんの問題もありません……っ」
「そうか、よかった。安心したよ」
ホッとしたような笑みを見せられて、エリシアの胸は罪悪感に疼く。嘘ばかりついているエリシアに、彼はどうしてこんなにも優しいのだろう。
少し距離を開けてエリシアの隣に腰を下ろしたロジェリオは、言葉を探すようにうつむき、何度か手を組み直した。そして何かを決意したような顔でエリシアに向き直る。
「エリシア嬢、きっともう気づいているだろうが、俺は……きみのことが好きだ」
「……っ」
この状況でまさか告白されるとは思わなくて、エリシアは目を見開いて固まった。もはや何を言えばいいのか分からなくなってしまう。
ロジェリオは照れ笑いを浮かべながら、エリシアを見つめた。
「先日の夜会で、きみの持っていたハンカチがあっただろう。あの花――かすみ草は、俺のすごく好きな花でね。素朴で脇役感の強い花だけど、昔から愛読している本に出てくることもあって、ずっと好きなんだ」
穏やかな声でロジェリオが話すのを聞きながら、何度出会っても彼は同じことを言うのだなと、心のどこかがふわりとあたたかくなるのをエリシアは感じていた。
――知っているわ。私も同じ本が好きだから。
心の中でそうつぶやくけれど、決して口に出すことはしない。
「あの……大丈夫です。もうすっかりよくなりました」
「本当に?」
じっとのぞき込むように見つめられて、エリシアはおろおろと視線をさまよわせる。意識してはだめだと思うのに、頬が熱くなっていくのを自覚して、ますます動揺してしまう。
「えぇ、なんの問題もありません……っ」
「そうか、よかった。安心したよ」
ホッとしたような笑みを見せられて、エリシアの胸は罪悪感に疼く。嘘ばかりついているエリシアに、彼はどうしてこんなにも優しいのだろう。
少し距離を開けてエリシアの隣に腰を下ろしたロジェリオは、言葉を探すようにうつむき、何度か手を組み直した。そして何かを決意したような顔でエリシアに向き直る。
「エリシア嬢、きっともう気づいているだろうが、俺は……きみのことが好きだ」
「……っ」
この状況でまさか告白されるとは思わなくて、エリシアは目を見開いて固まった。もはや何を言えばいいのか分からなくなってしまう。
ロジェリオは照れ笑いを浮かべながら、エリシアを見つめた。
「先日の夜会で、きみの持っていたハンカチがあっただろう。あの花――かすみ草は、俺のすごく好きな花でね。素朴で脇役感の強い花だけど、昔から愛読している本に出てくることもあって、ずっと好きなんだ」
穏やかな声でロジェリオが話すのを聞きながら、何度出会っても彼は同じことを言うのだなと、心のどこかがふわりとあたたかくなるのをエリシアは感じていた。
――知っているわ。私も同じ本が好きだから。
心の中でそうつぶやくけれど、決して口に出すことはしない。