愛するあなたを殺させないため、死に戻った私はこの恋を捨てると決めた
「あなたを守るために、この想いは捨てるべきだと思っていたの。だけど、どうしても無理だった。だって私、あなたのことが好き……」
 こみ上げる想いは涙となって、瞳からあふれる。それを拭うことなく、エリシアはロジェリオを見上げた。
「何度も自分に言い聞かせたわ。誰か他の人と幸せになってくれたらって……、生きていてくれるならそれでいいって。でも、そんなの嫌……! 私は……っ、あなたと――ロジェリオと、幸せになりたい。この先の未来も、一緒に生きていたいの……」
「大丈夫だ。絶対に幸せになれる。俺がエリシアを……シアを、守るから」
 強く腕の中に抱き込まれ、こぼれた涙は彼のシャツに吸い込まれていった。
 ロジェリオの手が頬を滑り、上を向くよう促す。その手に従って顔を上げれば、彼は黙ってエリシアを見つめていた。深い緑の瞳の中に、エリシアの顔が映っている。
 引き寄せられるようにお互い顔を近づけ、唇が重なる。エリシアの記憶の中では数えきれないほどに交わした甘いキス。だけど今世では初めての口づけだ。
 唇を触れあわせるだけで、泣きたくなるほどに幸せを感じる。あふれた涙は、ロジェリオが優しく吸い取っていった。
 何度も啄むような口づけを繰り返しているうちに、エリシアの身体から力が抜けていく。雨はまだ激しく降っていて誰かが通りかかることはないだろうけれど、こんなにも親密な触れ合いをしていることが恥ずかしくなる。
「……っリオ、だめ……これ以上は」
「分かってる。さすがにここできみを抱くようなことはしないよ。だけど、離れたくないんだ。ずっと抱きしめて、キスをしていたい」
 熱を帯びた囁きに、エリシアの体温も上がる。恥ずかしさをごまかすために、エリシアは指先にくるくると横髪を巻きつけた。
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