愛するあなたを殺させないため、死に戻った私はこの恋を捨てると決めた
 エリシアの返事を聞いたロジェリオは嬉しそうに微笑み、指輪をはめてくれた。彼の髪色のような淡い金の枠に、瞳と同じ色をしたエメラルドが輝いている。エリシアのほっそりとした指に、指輪は驚くほどぴったりと馴染んだ。
 嬉しくて、幸せで、エリシアは指輪のはまった左手を何度もかざして確認する。庭園灯の淡い光を受けて、エメラルドがきらりと輝いた。
 喜びの気持ちを伝えるために、エリシアはロジェリオの胸の中に飛び込んだ。しっかりと抱き止めてくれるぬくもりにも幸せを感じながら、エリシアは彼の顔を見上げる。
「ありがとう、ロジェリオ。すごく嬉しい。あの本に出てくるシーン、そのままだわ」
「婚約の証として指輪を贈ると決めた時、絶対にこうしようと思ったんだ」
「きっと私、一生忘れないわ。あなたの瞳の色みたいなエメラルドも、本当に素敵」
「常に自分の色を身に着けていてほしいという、俺の我儘だけどね」
「我儘なんてことはないわ。ロジェリオといつも一緒にいるみたいで、嬉しいもの」
「エリシアには、いつも俺のことを思い出していてほしいから」
「それなら、私もロジェリオに何か贈らなくちゃ。あなたにも、私のことをいつも考えていてもらいたいのよ」
 何を贈るのがいいだろうかと考え込むエリシアの耳元に、ロジェリオがそっと唇を寄せた。
「俺は、いつだってエリシアのことを考えているよ。だけど、きみの美しい空色の瞳を思わせる何かを身に着けられたら、すごく素敵だな」
「カフスボタンか、ラペルピンがいいかしら。ピアスもいいわね。とびきりのものを贈るから、待っていて」
「うん、楽しみにしてる」
 囁いたロジェリオが、そっとエリシアの頬に手を触れる。そのまま上を向くよう促され、エリシアは微笑んで目を閉じた。
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