確信犯の傘下
今の笑い、絶対背が伸びた喜びだけじゃないでしょ。
見惚れてた、とか思われているのかな。
別にいいけど。
おととしの告白でわたしの想いはもうアキラくんに露顕済みだし。
そうなんだけど、そうとわかっているけれど。
年下のアキラくんに笑われるのは嫌で、恥ずかしくて、年上なのにわたしだけバカみたいに揺れるんだ。
「笑わないでよ」
「拗ねないでよ」
牛乳飲めって、とくすくす笑いながら肘で突く。
その振動で傘が揺れる。
パラ、と露先以外からも雫が舞った。
「傘は」
雫の舞いを鑑賞しながら問う。
しっかり者で真面目なアキラくんのくせに、折りたたみ傘さえ持っていないのは珍しい。
「……ないね?」
「何その疑問符」
知っていた。
その少し膨れたリュックのサブポケットに入っているのはきっと。
「せんぱいと帰りたいし」
「あざとい」
ああ、反則だ。