たとえ世界から「ごめん」が消えたって、


愛くるしい瞳、おっとりした口調、柔らかな髪、気持ちがもろ剥き出しの素直な表情。

彼女の存在は僕のこころに、はっきりと、残っている。


なんせまだ7日しか経っていない。

そう簡単に忘れられるわけがないだろう。



「だけど、もう、いいよ」


これで正解だと思った。

だって、このまま僕といっしょにいたって、僕は彼女を傷付けることしかできない。


僕はおかしい。

彼女の苦しむ顔が好きで、その顔は僕と同じ気持ちを味わっているかのような一体感がして、それがたまらなく愛おしい。

彼女といっしょならば、どこへ逝っても寂しくない気がする。

虚無に溺れる僕と一体になって、そうしていっしょに堕ちてしまおうと、そう思うんだ。


でも、彼女は、それを望んでいない。


“悲しい”

そう告げた涙声は力強くて、圧倒的な生命力を感じた。


彼女はきっと、僕といっしょに、生きていたいのだ。





< 11 / 20 >

この作品をシェア

pagetop