目と口は同じぐらいにものを言う
遮光カーテンの隙間から細い朝の光が差し込む。
いつもならアラームの音に急かされる時間だけれど、今日は土曜日。それだけで心の余裕がまるで違う。
隣を見ると、柊斗はまだ夢の中にいた。
「ん…」
小さな寝息を立てながら、私の腰に腕を回したままがっちりとホールドしている。
いつもなら「狭い」と文句を言って退かすところだけれど、今日はお互い「1歩も外に出ない」と決めた日だ。私は彼の腕の中に収まったまま、じっくりと至近距離でその顔を観察することにした。
寝ているときの柊斗は完全に無防備だ。
普段のワンコのような愛嬌は潜められ、すっと通った鼻筋や形の良い眉が際立っている。そして何より、私が愛してやまないその『目』は、今は閉じた瞼の裏に隠されている。
長い睫毛が、頬に綺麗な影を落としていた。
起きている時のキラキラとした瞳も最高だけれど、この静かな瞼も好きでたまらない。指先で、そっとその睫毛の先端に触れてみる。
「……んぅ、ちなつ……?」
かすかに瞼が震え、ゆっくりとその奥から私の大好きな目が顔を出した。
寝起き特有の少しとろんとした潤みを帯びた黒目。それが視界に私を捉えた瞬間、じわじわと熱を帯びていく。
「おはよう、柊斗」
「おはよ…千夏。…ねえ、起きてすぐそんな風に見つめるのずるい」
柊斗はまだ掠れた声でそう言うと、ごろんと寝返りを打つ。そして、今度は私を押し潰すように覆いかぶさってきた。
「あははっ、朝から口説き文句ね。気に入ったし、ご褒美にキスしてあげようか?」
「えっ!?ほんと!?」
完全に目が覚めた彼の瞳が、私の唇に照準を合わせる。そして、スッと細められた。
「どうしよっかな〜」
「いじわる~。キスさせてよ~~」
素直な言葉に思わず笑ってしまった。
「仕方ないな~。でも、先に言っておくけど目は閉じないからね」
「いいよぉ」
柊斗は苦笑しながら、私の頬を包み込んだ。もちろん、今度は「目を閉じろ」なんて野暮な抗議はしてこない。お互いがお互いの大好きなパーツを、1番汚れのない朝の光の中で貪り合う。
重なる唇。
私を見つめる、熱く、どこまでも深い彼の瞳。
外の世界がどんなに忙しく回っていようと、この部屋の中だけは私たちの愛おしい世界がどこまでも続いていた。
いつもならアラームの音に急かされる時間だけれど、今日は土曜日。それだけで心の余裕がまるで違う。
隣を見ると、柊斗はまだ夢の中にいた。
「ん…」
小さな寝息を立てながら、私の腰に腕を回したままがっちりとホールドしている。
いつもなら「狭い」と文句を言って退かすところだけれど、今日はお互い「1歩も外に出ない」と決めた日だ。私は彼の腕の中に収まったまま、じっくりと至近距離でその顔を観察することにした。
寝ているときの柊斗は完全に無防備だ。
普段のワンコのような愛嬌は潜められ、すっと通った鼻筋や形の良い眉が際立っている。そして何より、私が愛してやまないその『目』は、今は閉じた瞼の裏に隠されている。
長い睫毛が、頬に綺麗な影を落としていた。
起きている時のキラキラとした瞳も最高だけれど、この静かな瞼も好きでたまらない。指先で、そっとその睫毛の先端に触れてみる。
「……んぅ、ちなつ……?」
かすかに瞼が震え、ゆっくりとその奥から私の大好きな目が顔を出した。
寝起き特有の少しとろんとした潤みを帯びた黒目。それが視界に私を捉えた瞬間、じわじわと熱を帯びていく。
「おはよう、柊斗」
「おはよ…千夏。…ねえ、起きてすぐそんな風に見つめるのずるい」
柊斗はまだ掠れた声でそう言うと、ごろんと寝返りを打つ。そして、今度は私を押し潰すように覆いかぶさってきた。
「あははっ、朝から口説き文句ね。気に入ったし、ご褒美にキスしてあげようか?」
「えっ!?ほんと!?」
完全に目が覚めた彼の瞳が、私の唇に照準を合わせる。そして、スッと細められた。
「どうしよっかな〜」
「いじわる~。キスさせてよ~~」
素直な言葉に思わず笑ってしまった。
「仕方ないな~。でも、先に言っておくけど目は閉じないからね」
「いいよぉ」
柊斗は苦笑しながら、私の頬を包み込んだ。もちろん、今度は「目を閉じろ」なんて野暮な抗議はしてこない。お互いがお互いの大好きなパーツを、1番汚れのない朝の光の中で貪り合う。
重なる唇。
私を見つめる、熱く、どこまでも深い彼の瞳。
外の世界がどんなに忙しく回っていようと、この部屋の中だけは私たちの愛おしい世界がどこまでも続いていた。


