魔力ゼロの悪役令嬢が 最強の魔女になれたのは、優しい魔王さまの嫁だから

15話

15話 最終試験



王宮の祝宴の間において、最終試験の課題が発表された。


そして王妃、自ら直々にこの試験の説明を行う。


「それでは最終試験の内容を伝えます。

ひとつ、王太子リアルの婚約は王太后様、つまりリアルのお祖母様の、王太后メアリー様の決裁(けっさい)が必要になります。

そのため王太后様の承認(しょうにん)の証として、王家に代々伝わる、婚約の指輪を賜って来なさい。」


名誉ある、王太子妃候補の最終試験をまえにしても、カリナ•オルデウス浮かない顔をしていた。


『─王太子リアル様はああ言われたけど、わたしなんかに、王妃が務まるのだろうか?』


王妃はそんな彼女を心配して特別な声をかけた。


「カリナ•オルデウス、不安なのかしら?確かに王太后様。─リアル王太子のお婆様は、とても気難しい方よ…」


そう言って王妃はカリナの手を取った。


「はい。心得ております」


それでもカリナは気弱に目を伏せている。


王妃は最終試験に不安を感じているのだと思っていたが、そうではなかった。


カリナ•オルデウスは自分の胸の内を王妃に吐露する。

「王妃様、わたしなどに王太子妃が務まるのでしょうか?」


王妃は少し考えて、こんな話しを始めた。


「私の秘密を教えてあげるわ。実はね、私が今の国王陛下と結婚する際のこと。

まだ私が王太子妃候補生だったころ、同じ最終試験に挑んだことがあるのよ。

でもね、結局、試験は失敗。私は王太后様に大変、嫌われてしまったわ。」


そう言うと王妃は少しいたずらっぽく、笑った。


「だから私も王妃失格ってわけ。」


王妃はふふっと微笑みながら続ける。


「それでも、国王陛下は私を王妃に迎えてくださったの。」


王妃はカリナの目をしっかりと見つめて、言った。


「リアルから聞いているわ。あの子、貴女のこと、とっても気に入っているみたい。」


カリナはその言葉を聞いて、いくらか心が安らいだ。


「肩の力を抜きなさい、試験に挑む事も大事だけど、それ以上に、ふたりの愛の方が大切なのよ。」


王妃はカリナを元気づけるように続けた。


「リアルは、あなたを信じてるから、きっと大丈夫よ。」


そう言って王妃はカリナ•オルデウスに微笑んだ。
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