たった一日の恋人役のはずが、敏腕社長の妻になりました

 せっかくの機会なので日頃の想いを伝えたいが、言いたいことが多すぎてちゃんと伝わるだろうか。 


「成海社長の仕事に対する姿勢を私はとても尊敬しています。確かに、他の秘書に比べて会議や打ち合わせなどに同行させていただく機会はほとんどないですし、直接的なやり取りは少ないですが、秘書として成海社長の真摯な仕事振りは知っていますし、何事にも妥協することなく仕事と向き合う姿も目にしています」


 日頃の想いを伝えたくて、つい言葉に熱がこもる。 


「そんな成海社長の秘書として私はこれからも頑張りたいので、よろしくお願いいたします」


 ベッドの上で正座になり、ぺこりと頭を下げた。

 ……熱く語り過ぎただろうか。

 ふと冷静になり、少しだけ恥ずかしくなったが、自分の想いをきちんと伝えることができてよかった。

 満足した気持ちで顔を上げようとした、その瞬間ーー。頭にぽんと手が乗り、くしゃりと優しく撫でられた。

 その状態のままゆっくり顔を上げると、私の頭を撫でる成海社長と目が合う。


「ありがとな、梅本」


 そう言った彼の表情はいつになく柔らかで、つい見つめてしまう。


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