たった一日の恋人役のはずが、敏腕社長の妻になりました

 ふと弱音を吐いた俺に対して、梅本は普段の俺の仕事振りを熱量を込めて語ってくれた。

 その言葉のひとつひとつに胸が震えるのを感じた。

 俺が成海商船の社長でいいのか。

 ずっと心の中にあったわだかまりが、梅本の言葉ですっと消えていくのがわかった。

 気持ちが楽になった瞬間、目の前の梅本がとても愛おしい存在に思えて、気がつけばキスをしていた。

 唇を離し、動揺した表情を浮かべる梅本を見て、俺はハッと我に返った。

 梅本の様子がおかしくなったのはその翌朝からだ。

 前日の大雨と風が嘘のように翌朝はよく晴れ、飛行機も無事に飛び、俺たちは東京に戻った。この日は土曜日で仕事は休み。

 同じマンションに帰ったが、梅本はすぐに自分の部屋に引きこもってしまった。

 それからまともに顔を合わせていない。

 仕事中は切り替えているのか普段通り業務を行う梅本だが、明らかに俺を避けているのは見て取れる。

 さて、どうしたものか……。

 あの日以来、梅本のことばかりを考えてしまう。

 この気持ちに薄々気づいてはいる。あとは認めるだけだが、なかなかそれができない。


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