たった一日の恋人役のはずが、敏腕社長の妻になりました
疑い
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一月になり冬本番を迎え、寒さが一段と厳しくなった。
そのせいで風邪を引いてしまった玉置さんが今日は休みなので、ひとりでお昼休憩を取っている。
社員食堂の前で肉料理メインのA定食か、魚料理メインのB定食かで悩み、お正月に毎日のようにお餅を食べていたせいか体重が一キロ増えてしまったことを思い出し、ヘルシーに魚料理メインのB定食にすることにした。
サバの塩焼き、切り干し大根、ほうれん草の胡麻和え、ごはん、おみそ汁が乗ったトレーを持ち、空いている席に腰を下ろす。
いつもは玉置さんと話をしながら食べるけれど、今日はひとりなので黙々と食べ進めていく。
玉置さん、大丈夫かな。
熱を出して休んでいる彼女を心配に思いながら、ごはんを食べていると、ふと隣に人の気配がした。
振り向くと、ブラウンのロングヘアの女性が立っている。
「ここいいかしら」
広報部の霧矢さんだ。隣の席に座ってもいいか尋ねられ、私は「はい」と頷いた。
霧矢さんとは就航記念セレモニーの準備を進めていく中で顔見知りになった。
それまではお互いに部署が違うため関わりがなく、私は彼女を“成海社長の大学時代の同級生”としか知らなかったし、霧矢さんの方も私を“成海社長の秘書”くらいの認識しかなかったはずだ。