たった一日の恋人役のはずが、敏腕社長の妻になりました
ふと目にとまったのはボリュームのあるハンバーガーの写真が添えられたお店。フードコートの中にあるようだ。
美味しそうで食べてみたいが、雅貴さんはどうだろう。
なんとなくハンバーガーを食べるイメージはないし、大企業の御曹司である彼がフードコートで食事を取るイメージもない。
「あ、お寿司なんてどうですか。雅貴さん好きですよね」
秘書として会食場所を決めるときなど参考にするため、雅貴さんの好き嫌いは把握している。前任の雪白室長から引き継ぎのときに教えてもらったから。
成海社長は海鮮料理が好きで、特にお寿司が好物だ。
「このお店良さそうですよ。地元の漁港で水揚げされた新鮮な魚を楽しめるらしいです」
写真に載っているお寿司のネタもシャリからはみ出すほど大きい。回転系ではなく、注文してから握ってくれるスタイルのようだ。
雅貴さんには合っている気がする。
「このお店にしましょう」
フロアマップで行き方を確認する。ここから近そうだ。
「えっと……こっちかな」
「ちょっと待て」
先に歩き始めると、突然右手を掴まれグイッと後ろに引っ張られた。
振り向くとなぜか怖い顔をした雅貴さんと目が合う。