たった一日の恋人役のはずが、敏腕社長の妻になりました

 シャキシャキとしたレタスにトマト、そしてたっぷりのチーズ。主役のパティは肉々しく、味つけもしっかりとある。

 自家製だというバンズももっちりとして美味しく、ボリューミーだがペロッと食べられそうだ。

 ぱくぱく食べていると、ふと目の前から雅貴さんの視線を感じた。

 私を見る彼の口元が柔らかく微笑む。


「幸せそうに食べるな」


 雅貴さんはそう言うと私に向かって手を伸ばす。彼の親指が私の唇の横に触れ、さっと離れていった。

 何が起こったのわからず呆然とする私に彼は言う。


「口の横にソースが付いていた」

「えっ」


 慌てて指で口元に触れる。

 雅貴さんがソースを取ってくれたのだろう。


「すみません。ありがとうございます」


 思い切りかぶりついたときに付いてしまったようだ。

 恥ずかしい……。

 今度は気をつけながらハンバーガーをぱくりと食べた。添えられているポテトも美味しくて、ぱくぱくと進んでしまう。

 ふと雅貴さんに目を向ける。彼がハンバーガーを食べる姿は貴重な気がして、ついつい見入ってしまった。

 そんな私の視線に気付いた彼がこちらを向いたので、ぱちりと目が合う。


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