たった一日の恋人役のはずが、敏腕社長の妻になりました

「雅貴さんはお買い物をされますか?」

「いや、俺は欲しいものはないから、恵麻の買い物に付き合うよ」

「ありがとうございます」


 アウトレット内を歩きながら、母へのプレゼントに良さそうなものを探す。


「雅貴さんのご両親の誕生日はいつですか?」


 そういえば知らなかったと思い出してふと尋ねる。


「ふたりとも五月だ」

「同じなんですね」

「ああ」


 夫婦で誕生月が同じなんて素敵だ。


「それでは今年の五月に、雅貴さんのご両親に何かプレゼントをしましょう。……でも、私なんかが選んでいいのかな」


 私の感覚で選んだものをよろこんでもらえるだろうか。

 私の両親とは違い、雅貴さんのご両親の欲しいものがわからない。それに、ブランド品を初め、すでに何でも持っていそうだ。

 難しい表情で考えていると、隣を歩く雅貴さんがふっと笑う。


「両親はたぶん恵麻から貰ったものなら何でも喜ぶんじゃないか。ふたりともきみを気に入っているから」

「そうでしょうか」

「ああ。うちは男ふたり兄弟だから、娘ができたみたいでうれしいんだろ。特に母親は結婚の挨拶のとき、恵麻にべったりだったじゃないか」

「そうでしたね」


 思い出して苦笑してしまう。


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