たった一日の恋人役のはずが、敏腕社長の妻になりました

 クイーン・ブルー号の翌日のスケジュールを教えてほしいと頼まれたので、それに答えるついでに船長である郁真さんの話題を出した途端に表情がすっと冷たくなり、先ほどと同じことを言われた。

 あのときも思ったけれど、雅貴さんと郁真さんはあまり仲が良くないのだろうか。

 結婚の挨拶のときや新年の挨拶に伺ったときは、どちらも郁真さんは仕事で不在だったので、ふたりが一緒にいるところを見たことがないため、実際の仲についてはよくわからない。

 気になるけれど、雅貴さんの前で郁真さんの話はできないので聞けない。

 悶々とした気持ちを抱えつつ、母へのプレゼント選びを始めた。

 アウトレットはとても広く、様々なお店があるので何を買おうか迷ってしまう。


「どれにしようかな……」


 気になるお店に入っては、母の好みに合う商品を探す。

 すると、ふと入店した服飾小物を扱う店で、花のブローチが目にいった。

 母へのプレゼントを選んでいたはずが、自分の欲しいものを見つけ、心がときめく。


「かわいい」


 思わず手に取った。

 どうしよう、買おうかな……。

 雅貴さんは同じ店内で別の商品を見ているため、少し離れた場所にいる。

 購入するかどうかひとりでしばらく悩んだけれど、ふと見えた値札に驚愕する。


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