たった一日の恋人役のはずが、敏腕社長の妻になりました
「えっ。えっと……はい」
こくんと小さく頷いた。
「そうかぁ。成海社長は梅本さんみたいな女性がタイプだったのね」
雪白室長がしみじみと呟く。
「私が専属秘書をしていた頃から、成海社長には縁談がたくさん舞い込んできていたのよ。でも、どれも断るから、会長から成海社長にお見合いをするよう説得してくれって何度も頼まれたんだから」
「そうだったんですね」
「そうよ。それくらい結婚願望がない人だったのに、梅本さんとあっさり結婚するから驚いたわ。きっと成海社長はあなたのことが大好きなのね」
「い、いえ」
そういうのじゃないんだけどな……。
でも、契約結婚とは言えないので、雪白室長の言葉にどう反応していいかわからない。
とりあえず苦笑が漏れた。
「今朝も一緒に出勤してたじゃない。仲良しなのね」
まさか雪白室長にも目撃されていたなんて。頭ぽんぽんは見られてないよね?
ドキドキしていると、雪白室長がふとため息を吐く。
「梅本さんが羨ましいわ。仕事も順調だし、好きな人と結婚もできて。それに比べて私は……」
「ゆ、雪白室長!?」
突然、悲観的になり俯いてしまった雪白室長に私はあたふたと慌ててしまう。