たった一日の恋人役のはずが、敏腕社長の妻になりました

 もしかしてまだ雅貴さんのことが……。

 すると、雪白室長がぱっと顔を上げた。


「決めたわ。私も自分の想いを伝えることにする」

「えっ。それは、ちょっと……」


 成海社長に告白をするということだろうか。

 妻である私を前にそんな宣言をするほど大胆な行動に出るなんて、雪白室長は雅貴さんのことがまだ好きなのだろうか。


「梅本さん。協力してほしいの」

「私ですか!?」


 まさか別れてほしいと言われるのだろうか。

 まぁ、私と雅貴さんは本物の夫婦ではないし、雅貴さんが私よりも雪白室長を妻に望むなら別れるのもアリだけれど……。

 そのとき、胸がズキンと痛んだ。

 雅貴さんと別れなければならないかもしれない。そう思うと、なぜか胸が苦しくなる。

 できればこのまま彼のそばにいたいと思う自分の気持ちに気づき、戸惑ってしまう。

 これじゃまるで雅貴さんのことが好きみたい……。


「ちょっと待ってて」


 メモ用紙を取り出した雪白室長が、そこにボールペンで何かを書いた。それを私に手渡す。


「これ、私の連絡先なんだけど、渡してほしい人がいるの」

「成海社長ですか?」


 震える声で尋ねた。


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