たった一日の恋人役のはずが、敏腕社長の妻になりました

 峯田さんが退職する際に連絡先を交換したので、さっそく電話をかけてみる。

 すぐに出てくれて、事情を説明したところ会社の担当者に確認をしてくれた。

 すると、ちょうどこの時間帯、多人数を乗せることができるワゴンタクシーに空きが出ていて、数台をすぐにホテルへ向かわせるとのこと。

 式典の開始時間にはなんとか間に合いそうでほっと胸をなで下ろす。

 雪白室長に事情を説明し、到着するワゴンタクシーを迎えるため私はいったん船の外に出た。

 しばらく待つと黒色のミニバンが五台到着し、海外からの招待客たちが降りてくる。ホテルで待たせてしまったが、機嫌が悪い様子などはなく安心した。

 運転手にも声を掛けお礼を伝える。支払いは請求書払いにしてもらったので、後日支払う予定だ。

 帰っていくタクシーを見送っていると、誰かが私の肩にポンと手を添えるのがわかった。

 ブラウンのロングヘアがトレードマークの霧矢さんだ。


< 18 / 116 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop