たった一日の恋人役のはずが、敏腕社長の妻になりました
「比べて私は美人でもないし、性格もよくない。仕事もできなくて、いいところなんてひとつもない。だから梅本さんが羨ましくて、梅本さんみたいになりたかったけどなれなくて。そのうち梅本さんに憧れてる自分が嫌になって、梅本さんさえいなければこんな気持ちにならないと思ったら、梅本さんのことも嫌いになって……」
「それで梅本さんに嫌がらせをしたの?」
雪白室長が尋ね、玉置さんは頷いた。
「くだらない理由だな」
雅貴さんが冷たく切り捨てるように言った。冷淡な視線が玉置さんに向かう。
「姑息な真似をするような人間は俺の会社には必要ない。処分は追って伝える」
雅貴さんはそう言うと、手に持っていたネイルチップをゴミ箱に捨てた。
「要件は以上だ。雪白、玉置を連れていけ」
雅貴さんが背を向ける。退室しろという意味だろう。
雪白室長が深く頭を下げた。
「このたびはご迷惑をおかけし、申し訳ございませんでした。私の監督不行き届きです。以後、このようなことがないようしっかりと指導してまいります」
「ああ」
雅貴さんは背を向けたまま短く返事をするだけだ。そんな彼に向かって雪白室長はさらに頭を下げた。