たった一日の恋人役のはずが、敏腕社長の妻になりました

 すると、それまで沈んでいた玉置さんの表情が明るくなる。


「本当ですか! 三十分でいいのでお願いします」

「わかった。一応、成海社長に確認してみる。これから来客と打ち合わせがあるから、返事は終わってからになるけどいいかな」

「はい。お願いします」


 肩の荷が降りたのか、玉置さんはにっこりと微笑んだ。


「梅本さんってスゴイですよね。私と歳がふたつしか違わないのに会社のトップの秘書を務めているし、大変なはずなのに余裕を感じるというか」

「そうかな?」

「そうですよ〜。秘書として目標にしてます!」

「私を?」


 思わず自分を指さしてしまう。すると、玉置さんは大きく頷いた。


「私も梅本さんみたいなデキる秘書になりたいです。でも、いつも専務に振り回されていて……」

「まぁ、専務は……ね」


 役員の中でも扱いにくさはトップだと思う。前任の秘書は半年で、前々任の秘書は三ヶ月で音を上げて退職してしまったほどだ。

 比べて玉置さんはもうすぐ一年になろうとしているのだから、彼女はすごく頑張っていると思う。


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