たった一日の恋人役のはずが、敏腕社長の妻になりました
秘書といえば上司に付きっきりのイメージがあったけれど、私は基本的に秘書室で業務をこなしている。
会議や外出先への同行もめったに頼まれないので、社長と顔を合わせるのは急な用事で呼び出されたときだけ。
どうやらうちの社長はひとりで行動をするのが好きらしい。
今日も社長が午前の会議に出席している間、私は秘書室で来週の会議で使う資料の作成をしていた。
それが終わると、社長に確認してもらうためデータをメールで送る。そのあとは会社を出て、贔屓にしているパティスリーに向かった。
そこで季節のパウンドケーキを購入する。明日、社長が取引先を訪問する際に渡す手土産だ。先方の社長は奥さんと十代の娘さんがいる方なので、家族で食べられる洋菓子を選んだ。
そのあとはちょうどランチ時というのもあり、カフェに寄ってサンドイッチとカフェモカでお腹を満たす。それから会社に戻った。
お手洗いで化粧を直してから、秘書室で午後の仕事を始める。
午前中に作成した資料の修整依頼が社長からきていたので、それをこなしていく。
その途中で、午後一の会議を終えたばかりの社長から内線が入った。社長室に来てほしいとのことなので急いで向かう。