たった一日の恋人役のはずが、敏腕社長の妻になりました

「そうよ。さっき街の方へ出て美容院に行ったの。パーマを当てている間暇だったからスマホを見ていたら、恵麻と成海商船の社長さんの記事が出てきて。もうびっくりしちゃった」


 どうやら私と成海社長の結婚という情報はネットニュースからきているらしい。

 でも、なぜそんな嘘の情報が?

 私と成海社長が結婚をするなんてあり得ない。

 母にもそう否定しようとしたが、母のホッと安心したようなため息が聞こえた。


「でも、よかったわ〜。恵麻が結婚してくれるなら安心ね。お相手の方がご立派すぎて恵麻には合わないんじゃかないかって不安はあるけど」

「あの、それについてなんだけどーー」 

「本当はね、恵麻には地元の男性と結婚してもらって、こっちに帰ってきてほしかったのよ。お父さんもそれを望んでいて、恵麻にお見合いをさせようとしていたのだけど」

「えっ、そうなの!?」


 私の実家は東京から新幹線で二時間、それから電車とバスを乗り継いだ先にある山間の村にある。

 両親は農家で、私か妹に後を継いでもらいたいのだろう。だから、両親は私の上京にはずっと反対していた。

 高校卒業後に東京の大学に進学することも、東京の会社に就職することもなんとか説得して了承を得たのだ。


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