たった一日の恋人役のはずが、敏腕社長の妻になりました
「失礼します」
ネットニュースの記事のこともあり、社長と顔を合わせるのが気まずい。普段よりもややゆっくり目に扉を開けて入室する。
成海社長は自分のデスクではなく、応接セットのソファに腰を下ろしていた。その隣に広報部長も座っているのに気づき、この呼び出しはネットニュースの件だろうと確信する。
「そこに座って」
成海社長からテーブルを挟んで向かいのイスに座るよう促され、そちらに向かうと腰を下ろした。
「梅本さん。実はーー」
口を開いたのは広報部長だ。
続けて説明されたのは、やはり週刊誌によるネットニュースの件。
広報部長から紙の雑誌を手渡されたので目を通す。
そこには先日のパーティーでの私と成海社長の写真とともに日本を代表する企業の御曹司である彼が自身の秘書である私と結婚間近であることが掲載されている。加えて、過去に一度報道された女優との熱愛についても蒸し返されていた。
ざっと読み、私は週刊誌をテーブルに置く。
「こんな記事を書かれてしまうんですね」