たった一日の恋人役のはずが、敏腕社長の妻になりました
「突拍子もないことを言っているのは重々理解している。だが、あんな記事が出てしまった以上、訂正するよりも本当に結婚してしまった方が手っ取り早いとも思う。もちろん梅本の賛同が必要だが、どうだ?」
「えっ。えっと……」
成海社長と結婚。
すぐに思い浮かんだのは先ほどの母親との電話だ。
両親は私にお見合いをさせようと考えていて、最悪の場合は結婚して仕事を辞め、地元に連れ戻されてしまう。
そうなれば子供の頃から憧れだった秘書の仕事ができなくなる。
それだけは嫌だ。
「実は、私も成海社長と本当に結婚できたらと思うような事情がありまして」
ぽろっと言葉がこぼれる。
そのあとで自分が今置かれている状況を打ち明けた。
「ーーなるほど」
私の話を聞き終えて成海社長が頷く。
「つまり梅本もこの記事に書かれている内容を利用したい事情があるわけか」
「はい」
頷く私を見て、成海社長が口元に笑みを浮かべる。
「それじゃあ決まりだな」