たった一日の恋人役のはずが、敏腕社長の妻になりました

 職場に着くとエントランスで社員証をかざして入場し、エレベーターホールへ向かう。

 エレベーターを待つ間、周りにいる社員たちからの視線を感じた。

 成海社長と私の結婚が社内で発表されたのが先週のこと。週刊誌に交際中という記事が出て、そこから突然の結婚発表にみな驚いたに違いない。

 そして、社長の結婚相手である私のことが気になるらしく、発表後は社内を歩いていると視線を感じるようになった。

 とても居心地が悪いが、そのうち落ち着くだろう。

 到着した高層階専用のエレベーターに乗り、最上階フロアにある秘書室へ向かった。

 結婚をしたあとも私は変わらずに成海社長の秘書として働いているし、仕事中は旧姓の梅本を使っている。


「おはようございます」


 秘書室へ入ると、自分のデスクに向かい仕事を始める。

 成海社長は今頃グループ会社の視察中だ。社用車のドライバーから到着の報告を受けている。

 戻りは十一時半を予定していて、そのあと十二時からは各部署の責任者たちとのランチミーティングがある。

 社長と話す機会が欲しいという意見を受け、成海社長がランチミーティングを提案し、月一のペースで開催されている。


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