たった一日の恋人役のはずが、敏腕社長の妻になりました
「一週間前に普段通りお弁当を注文したのですが、それがキャンセルされていたようです」
でも、そんな連絡をした覚えはない。
「梅本が予約を取り消したのか」
「違うと思うのですが……」
成海社長に問われたけれど、はっきりと否定ができない。すると、会議室に成海社長のため息が響いた。
「就航記念セレモニーのときも似たようなことがあったな。覚えているか?」
「はい」
手配したはずのバスがキャンセルになっていたことだろう。
「立て続けに二度も同じようなミスをするな。三度目はないと思え」
「はい。申し訳ありませんでした」
怒気の含まれた声で注意され、頭を深く下げる。
成海社長にこんなに強く叱責を受けたのは初めてだ。ミスをしたことにも落ち込んで、目に涙が浮かぶ。
けれど、ここは職場だ。泣いてはいけない。
グッとこらえて、顔を上げた。
「この件は俺から雪白に伝えておく」
「はい」
成海社長自ら雪白室長に伝えるほど、私のミスが目に余るのだろう。
しゅんと落ち込んでいる私を残して、成海社長は会議室を後にした。