たった一日の恋人役のはずが、敏腕社長の妻になりました
兄は、中・高と生徒会長を務め、部活動でも部長を任されるなど、責任感があり、周囲からの人望も厚い。
成績は俺の方が優秀だったが、兄は誰からも愛され、常に人の輪の中心にいるような、努力だけではどうしたって手に入れられない生まれ持ったカリスマ性を持っていた。
さらに、高校生の頃の夏休みに自転車で日本縦断を試みたり、大学生の頃は誰にも何も言わずに世界一周の船旅に出てしまったりするなど好奇心が旺盛で、行動力にあふれる人だ。
そんな自由奔放な兄に対して父はよくぼやいていたけれど、本心では一目置いていることを俺は知っていた。
どんなに努力をして頑張っても俺は兄には敵わない。
成海商船の社長になり、正式な後継者に選ばれた今でも俺は兄に対して引け目を感じている。
そしてそれは俺の目の前に兄という存在がある以上は一生続くのだろう。