たった一日の恋人役のはずが、敏腕社長の妻になりました
ジムでたっぷりと体を動かし、帰りにスーパーに寄って食材などを調達してからお昼の十二時を少し過ぎたくらいに帰宅した。
玄関には梅本の靴が置いてあるので彼女は自宅で過ごしているようだ。
だが、リビングにはいない。
部屋にいるのか?
けれど、やけに静かだ。スーパーで買ったものを冷蔵庫にしまいながらふと思う。
……まさかまだ寝てるのか。
昼食の支度に取り掛かろうとしたが、梅本が気になる。彼女の部屋の前で耳を澄ませてみるが物音ひとつしない。
やはり寝ているのだろう。けれどもうお昼だ。こんな時間まで寝るだろうか。
もしかして倒れているのでは?
そう思った俺はとっさに梅本の部屋の扉を開けていた。
カーテンが閉め切られて薄暗い中、梅本がベッドに横になっている。
ぴくりともしないのが心配になり、女性のプライベート空間に立ち入るのは失礼だと重々承知の上で部屋に入った。
ベッドへ近づくと、梅本の寝顔が見え、すやすやと寝息をたてている。
やはりまだ寝ていた。
「もうお昼だぞ……」
こんなに眠れるものなのか?
思わず梅本を未知の生き物を見るかのような視線を向けてしまう。そのままぐるりと部屋を見回した。