たった一日の恋人役のはずが、敏腕社長の妻になりました

「梅本、起きろ」


 彼女の体に触れて軽く揺らす。けれど、反応がない。


「梅本」


 今度はさっきよりも強い力で梅本の体を揺すった。すると、ようやく目が覚めたようだ。

 掛け布団から覗く彼女の寝間着はいつもの着古した服。

 梅本の目がゆっくりと開く。そして、俺の姿を捉えた瞬間、固まった。


「しゃ、社長!?」

「勝手に入ってすまない。起きてこないから倒れているのかと思った」


 だが、寝ていただけら心配いらない。女性の部屋にいつまでもいるのも失礼だ。

 俺は梅本に背を向けると部屋をあとにし、足早にリビングに戻った。

 キッチンで昼食の支度をしていると、あくびをしながら梅本がやって来る。


「お昼ご飯を買いにコンビニへ行ってきます」


 そう言った梅本の服装を見て、俺は固まる。


「まさかその服で行く気じゃないよな」


 梅本の服はよれよれのジャージだ。それを着て外に出ようとしているのだから、やはり彼女のことは理解ができない。

 リビングを出ていこうとする彼女を引き留める。


「待て。せめて服を着替えたらどうだ」

「えっ」


 梅本が自身の服装を見てきょとんとした顔をした。


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