たった一日の恋人役のはずが、敏腕社長の妻になりました
「もう着替えましたけど」
確かに先ほど着ていた着古した部屋着ではないが、そのよれよれのスウェットも似たようなものだ。外に着ていくような服じゃない。
それなのに梅本は、なぜ着替えなければならないのかわからないといった様子だ。
お昼ご飯を買いにコンビニへ行くと言っていたが、梅本はあまり自炊をしない。
ひとり暮らしをしていたときのことは知らないが、一緒に暮らし始めてから彼女がキッチンて料理をしている姿を見たことがなかった。
コンビニかスーパーで買ってきたものをよく食べているが、そのような状態では体を壊してしまわないだろうか。
「お昼なら、これから作るが一緒に食べるか」
思わず尋ねると、梅本が不思議そうに俺を見た。それから慌てたように両手を顔の前で振る。
「いえ、結構です。私はコンビニで買ってきたものを食べるので」
「だが、いつもそれだろ。自分で作ったりはしないのか」
「あー……、そうですね」
梅本が苦笑する。
「実は料理があまり得意ではなくて。自分で作るよりも買ってきたものを食べた方が美味しいので」
だから自炊をしないのか。