たった一日の恋人役のはずが、敏腕社長の妻になりました
「えっ。いえ、でも……はい」
無理やりエプロンを押し付けると、断りきれないと思ったのか梅本がそれを手に取り素早く身につける。
「それじゃあさっそく作るぞ」
「はい」
キッチンに立つ俺の隣に梅本が並ぶ。
「私は何をすればいいでしょうか」
途中まで進めていたので、にんにくとピーマンはすでにスライスしてある。あとは、玉ねぎとウインナーを切るだけだ。
「確認だが、包丁は使えるか」
梅本がどこまで料理ができるのかわからないので尋ねると、彼女が微妙な表情を見せる。
「一応、使えます。たぶん」
不安な答えに、おそらくそれほど包丁を使ったことがないのだろうと察する。
「それじゃあこの玉ねぎの皮を剥いてもらえるか」
「はい。それならできます」
梅本が玉ねぎを手に取り、皮を剥いていく。
その間にパスタを茹でるためのお湯を沸かす。
「成海社長。できました」
皮が剥けた玉ねぎがまな板の上に置かれている。
「これをスライスできるか」
「スライス?」
梅本が首を傾げたので、まずはやり方を見せることにした。
まな板の前に立ち包丁を手に取る。