たった一日の恋人役のはずが、敏腕社長の妻になりました
「なんだかレストランで食べるランチみたいですね」
食べる手を止め、麦茶を飲んだ梅本がふと俺を見た。フォークを置き、俺も彼女に視線を向ける。
「自炊もいいだろ」
「そうですね。でも、ひとりで作れるかどうかは……」
「なかなか手際が良かったぞ。料理、向いてるんじゃないか」
「そうですかね」
梅本が照れたように微笑む。
「成海社長は料理もお上手なんですね。部屋もきれいだし、服もいつもアイロンがかけられているし。お忙しいのにしっかりと家事もされていて尊敬します」
俺としては普通のことなので、尊敬される要素はないと思うが。
梅本が少し視線を下げ、気まずそうに口を開く。
「お気づきかもしれませんが、私はどうも家事が苦手で。部屋もすぐに散らかってしまうし、洗濯も面倒だから溜め込んじゃうし。料理も苦手だから、女性として失格ですよね」
力なく笑い、梅本はパスタを口に含む。
確かに、彼女の部屋は汚い。洗濯物をため込んでいるのも、洗濯を終えた服を畳まずに放置しているのも知っている。