たった一日の恋人役のはずが、敏腕社長の妻になりました
だが、探しても見つからない。
しばらくすると席を外していた専務が戻ってきた。
「見つかったか」
尋ねられた玉置さんが、申し訳なさそうに「いえ」と首を振る。
「梅本くんも手伝ってくれているのか」
専務の視線が私に向かった。。
「はい。専務、ご迷惑をおかけして申し訳ございません」
玉置さんのミスは秘書室全体のミスでもあるので、専務に謝罪の気持ちを伝えた。
「見つかったら教えてくれ」
専務は執務デスクへ向かい、イスに腰を下ろすと仕事を始めた。
私と玉置さんは行方不明の資料を必死に探す。少しして専務が「梅本くん」と私を呼んだ。
顔を上げると、こっちへ来るよう手招きをされたので、専務の座る執務デスクへと向かう。
「どうなさいましたか」
「これから会議に出るんだが、きみも一緒に来てくれないか」
「私がですか?」
専務の秘書は玉置さんなので、同行するなら彼女だろう。
すると、専務の視線が出入口近くのデスクで資料探しを続けている玉置さんへと向かった。
「玉置くんには資料を見つけ出してもらわなければ困る。だから代わりに梅本くんが一緒に来てくれ」
「それでしたら、私が資料を探します。それだと玉置が会議へ同行できますので」