アイヴィーの花冠 ~シスコンと恋愛を拗らせた私はこの度、好きな人の屋敷でメイドとして働くことになりました~
 私は強い指示、もとい己の食欲に応えるべく、新たな別の種類のサンドイッチにも手を伸ばすのだった。



 お茶会、と呼ぶにはあまりに長時間に渡った、私の帰還お祝い会は夕刻まで続いた。
 ルターさんがキッチンへと戻ると言うので、せめて皿洗いくらいは手伝わせてもらうことにした。城でも何度か、手の足りない時にお手伝い部隊として名乗りを上げたものだ。食器の洗い方講座を思い出しながら一つ一つ丁寧に洗っていく。

「アイヴィーは本当に何でも出来るな。確かコーヒーと紅茶も淹れられるんだっけ?」
「まだまだですけどね」
「でも王子相手にお出ししていたんだろう?」
「まぁ……」
「そこまでの腕があれば大したもんだろうよ」
「そうですかね」
「そうだよ」

 お茶会も終わったというのに、今日は私を誉める日か何かなのだろうか。ルターさんは快活に笑いながら褒めてくれる。

「じゃあ今度のお茶会のお茶、私に用意させてくださいね」
「ははっ、楽しみにしてるよ」

 ふふふと笑いあうが手は緩めることはない。
 なんて幸せな職場だろう。
 20過ぎて嫁入りの見込みがないことは、お姉さまたちには申し訳なく思う。
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