アイヴィーの花冠 ~シスコンと恋愛を拗らせた私はこの度、好きな人の屋敷でメイドとして働くことになりました~
 ミルクアイスとは違い、フルーツや野菜の本来の甘みを生かしたものである。けれどシャーベットのように氷でシャリシャリとしている訳ではなく、舌触りが滑らかなのが特徴だ。
 王城でもなかなかお目にかかれないそのデザートに、思わず目を爛々と輝かせてしまう。意地が汚いって思われたっていい。美味しいものには目がないのだ。

「感想、聞かせてくれよ」
「もちろんです」
 手の中のふきんを握りしめて意思表示をすれば、シェフはカラカラと笑った。


 ディートリッヒ様がお食事を済ませた後、用意されたまかないには約束通り、デザートがついていた。

 本日何度目かなんて考えちゃいけない。
『太る』なんて考えを持つ邪神の使いにはさっさとご退場いただいて、目の前の小さなお皿を四方から眺める。

 ルターさんが用意してくれたデザート――それは薔薇のジェラートだった。それも形までしっかりと再現してある。一枚一枚の花びらが集合して作り出された華を崩すのは少しだけ勿体なく思えてしまう。
 けれど目の前の男の人は「早く食べてくれ」と目で訴えかけてくるのだ。

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